行き場を失った資金はJ-REITへ

  • Market Eyes
  • No.301

東証REIT指数はV字回復

東証REIT指数は長期金利の上昇をきっかけとして11月初旬から下落した。しかし、10年国債利回りが11月12日をピークに低下する中、東証REIT指数は翌13日を底に反発している。【図表1】また、10年国債利回りの低下に比べて東証REIT指数の回復が急である点は特徴的だ。その背景に、「下がったところは買いたい」という根強い需要の強さがあると考えられる。

図表1 東証REIT指数と10年国債利回りのグラフ 2019年1月初から2019年11月19日
(出所)ブルームバーグ

償還された国債の一部はJ-REITへ

強い需要の要因として、日本国債の代替投資先としてのJ-REITの存在が考えられる。例えば、日本の10年利付国債の発行履歴を見ると、リーマン・ショック後の2009年度から明らかに増額されている。【図表2】それから10年が経過し、当時発行された国債が順次償還を迎えている状況だ。

図表2 日本の10年利付国債の発行・償還額 のグラフ 2000年度から2018年度
※償還額の見通しは大和投資信託の試算(2019年度~2022年度)
(出所)日本証券業協会、大和投資信託

多くの投資家(特に機関投資家)は、国債の償還を控えて次の投資先を探すことになる。ただし、10年前の10年国債は1%台半ばの表面利率で発行されていたが、現在の表面利率はわずか0.1%である。【図表3】そのため、投資先の選択肢としては、低いリターンを許容して再投資するか、よりリスクを取ってさらに長い年限の国債を買うか、海外の債券を買うか、あるいはJ-REITを買うか、などということになる。このうちJ-REITに向かう資金はほんの一部かもしれない。しかし、日本国債の現存額が1,000兆円程度で、それに対してJ-REIT市場の時価総額が17兆円程度しかないことに鑑みれば、ほんの一部でもJ-REIT市場に資金が流れるだけで、与えるインパクトは大きくなる。したがって、下がったところは買いの好機だと考える投資家は多いはずだ。

来年度も国債の償還額が増加すること、日銀が国債の購入を継続すること、低金利環境が継続すること、などが見込まれる。そのため、J-REITへの根強い買い需要は継続することが期待される。

図表3 日本の10年国債の表面利率のグラフ 2000年4月から2019年11月
(出所)ブルームバーグ
当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的として大和証券投資信託委託株式会社が作成したものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする「投資信託説明書(交付目論見書)」の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
  • 当資料は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。運用実績などの記載内容は過去の実績であり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。記載内容は資料作成時点のものであり、予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。