先進国の金利上昇はどこまで

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先進国の金利が上昇

10月以降、日米欧の長期金利が上昇している。【図表1】背景として、行き過ぎた悲観からの修正で債券から株式などに資金が流れていること、さらにはFRB(米国連邦準備制度理事会)が10月末のFOMC(米国連邦公開市場委員会)で予防的利下げの打ち止めを示唆したことなどがあげられる。それでは、この金利上昇はどこまで続くのか、目先の金利上昇の目処を考えてみたい。

図表1 日米欧の10年国債利回り

米長期金利の上昇余地は限定的

米国の30年国債利回りの上限は中立金利が意識されやすい。【図表2】ここで、中立金利とはFOMC参加者が示す長期の政策金利見通しの中央値を指す。過去、一時的に30年国債利回りが中立金利を上回って推移することもあったが、当時は利上げ局面であった。政策金利が据え置きもしくは利下げ局面では、30年国債利回りの上限を中立金利程度と判断してよさそうだ。
パウエルFRB議長は10月のFOMC後の記者会見で、利上げに転じるためにはインフレ率の大幅な上昇が必要であると述べており、まだ利上げは利下げよりもハードルが高そうだ。利上げの織り込みが進む状況ではないことに鑑みれば、直近で2.5%の中立金利に対して、すでに2.4%を上回っている30年国債利回りの上昇余地は限られよう。当然、10年国債利回りも連動するため上昇余地は限られ、目先は2%前後が上限と考えられる。

図表2 米国の各金利

保有資産の再拡大は始まったばかり

FRBは流動性供給のために保有資産の拡大を再開し、少なくとも来年の4-6月期までは続ける予定だ。【図表3】ECB(欧州中央銀行)は11月から月間200億ユーロのペースで資産購入を再開したばかりである。流動性の観点からも先進国の長期金利が上昇を続けるには限界が近そうだ。

図表3 日米欧の中央銀行の保有資産残高
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