予防的利下げで米国の景気後退確率が低下

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  • No.299

米国の景気後退確率が低下

11月5日(現地)にNY連銀が公表した2019年10月時点で1年先までに米国が景気後退に陥る確率は29%となった。【図表1】直近のピークであった8月時点の38%から9月時点に35%、そして10月時点でさらに景気後退確率が低下している。

図表1 米国の1年先の景気後退確率の推移(NY連銀算出)1985年1月から2020年10月

イールドカーブの形状が大きく変化

NY連銀公表の景気後退確率は、10年国債利回りと3カ月国債利回りの差を基に算出されているため、イールドカーブの形状が重要になる。

今回の予防的利下げが始まる前の6月末時点では、2%程度の10年国債利回りよりも3カ月国債利回りの方が高い、いわゆる逆イールドの状態にあった。【図表2】7月に一度目の利下げが実施され、3カ月国債利回りが小幅に低下したものの、8月初旬の米中関係悪化に端を発した過度な景気減速懸念から10年国債利回りが1.5%程度まで低下したため、むしろ逆イールドが深刻化し景気後退確率が上昇した。その後、9月と10月の利下げによって3カ月国債利回りが1.5%程度まで低下し、一方で米国の過度な景気減速懸念が後退したことで10年国債利回りが持ち直し、10月末時点では右肩上がりの順イールドの(正常な)状態となっている。一連の予防的利下げが功を奏し、ひとまず役目を終えた格好だ。

図表2 米国のイールドカーブ

製造業の景況感に注目

逆イールドが解消され、実体経済も底堅い中、残る懸念はISM製造業景況感指数が50を下回っていることだろう。【図表3】しかし、10月のISM非製造業景況感指数が54.7で依然として好調を維持しているほか、マークイット公表の製造業PMIは底入れが鮮明だ。ISM製造業景況感指数についても底入れから50を回復する展開になれば、米国経済に対する懸念は一段と晴れてくるだろう。

図表3 ISM製造業・非製造業景況感指数の推移 1985年1月から2019年10月
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