直近の米国株下落をどう見るか

  • Market Eyes
  • No.304

米国株は短期的な調整局面へ

10月以降ほぼ一本調子で上昇していた米国株だが、今週に入って短期的な調整局面を迎えた。【図表1】材料としては月曜日に発表された11月のISM製造業景況感指数が前月から改善するとの市場予想に反して悪化したこと、さらに火曜日にトランプ大統領が米中通商協議の部分合意について「期限はない」、「ある意味、大統領選の後まで待つ方が良いかもしれない」と発言したことなどが嫌気された格好だ。ただし、米国経済が失速するリスクが高まった訳ではなく、米中交渉が決裂することが決まった訳でもないため、短期的な利益確定の「きっかけ」を待っていた投資家の売り材料にされてしまったと考えるのが妥当だろう。

 図表1 S&P500とVIX指数のグラフ 2017年1月初から2019年12月3日

とはいえ、短期的な株価調整の深さは12月15日に予定されている米国による対中追加関税が発動されるか否かに依存しそうだ。しかし、それはあくまでも短期的な材料にすぎず、株価の中期的な上昇トレンドを転換させるには至らないだろう。

景気の「方向感」は上向きへ

ISM製造業景況感指数は景気の先行指標として非常に重要な指標だが、調査サンプル数が少なく、マークイット製造業PMIに比べて月次の変動が大きいのが難点だ。【図表2】そのため景気の転換点を判断するためにはマークイット製造業PMIの方が優れている可能性が高い。米国や世界全体の景況感は底入れから回復に向かおうとしている局面であり、ISM製造業景況感指数についても遅かれ早かれ回復に向かう公算が大きい。景気の「水準」はまだ低いものの、「方向感」は上向いてくると考えられる。また、世界の半導体販売額も前年同月比のマイナス幅が縮小に向かい始めており、やはり方向感は上向きだ。【図表3】

図表2 ISM製造業景況感指数とマークイット製造業PMIのグラフ 2017年1月から2019年11月
図表3 世界の半導体販売額の伸び(前年同月比)のグラフ 2004年1月から2019年10月

米国の大統領選まで1年を切り、トランプ大統領が再選をめざすのであれば、景気・株価の腰折れを招くほどの政策を推し進めるとは考え難い。また、景気の「方向感」から考えても、株価は上昇トレンドを維持することが期待できよう。

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