日米欧の長期金利は持続的な上昇に至らず

  • Market Eyes
  • No.293

日米欧の金融政策会合を通過

9月は順に、ECB(欧州中央銀行)、FRB(米国連邦準備制度理事会)、日本銀行で金融政策会合が開催され、注目を集めた。簡単にまとめると、ECBは利下げや量的緩和再開など強力な金融緩和のパッケージを打ち出し、次は財政の出番だと訴えた。FRBは0.25%ポイントの利下げを実施した上で、年内の追加利下げの可能性を排除しなかった。日銀は現状維持ながらも、次回10月末の会合における追加緩和に含みを持たせた。
重要イベント前のポジション調整などにより、会合前には各国の長期金利(10年国債利回り)が急上昇し、8月の金利低下の過半を埋めた。【図表1】【図表2】しかし、総じて見れば各中銀の金融緩和策に打ち止め感はなく、再度、長期金利は低下に向かっている。市場では9月前半の金利上昇を「トレンド転換」と捉える向きもあったが、これは「一時的」だったとの判断でよかろう。

図表1 米国のFFレート誘導レンジと10年国債利回り
図表2 ドイツと日本の10年国債利回り

長期金利は低位での推移が継続か

米国において、市場が織り込むFRBの利下げ回数は、今年末までが残り1回、来年末までがさらに2回となっている。【図表3】FRBが利下げに転じて以降、米長期金利の上限がFFレートの誘導レンジに抑えられている姿を見れば、長期金利が上昇トレンドに転じるためには、市場の利下げ期待が払拭される必要がありそうだ。【図表1】そのためには、米中が少なくとも貿易面での合意に至り、米政府が10月15日と12月15日に予定している対中関税の引き上げを「撤回」するなどのポジティブ・サプライズが求められる。

図表3 米国の今年・来年の利下げ織り込みと利下げ実績

ただし、米国経済が堅調で株価も高値圏で推移する中では、トランプ大統領が安易に妥協する可能性は低く、良くても関税引き上げの「延期」に留まろう。そのため、不確実性が残存することで、FRBに対する利下げ期待は払拭されず、低金利環境が継続する公算が大きい。もちろん、米国よりも経済状況が芳しくないドイツや日本の長期金利も上昇余地は限られよう。

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