米国の製造業は実態にも目を向けるべき

  • Market Eyes
  • No.292

製造業と非製造業の景況感に乖離

米国のISM製造業景況感指数とISM非製造業景況感指数に乖離が生じている。【図表1】製造業景況感指数が好不況の節目とされる50を割れたのに対して、非製造業景況感指数は50台半ばで持ちこたえている。過去の経験則からいえば、景気後退と非製造業景況感指数の50割れが符合するため、景気後退を警戒するのであれば非製造業景況感指数に注目すべきである。

図表1 米国のISM製造業・非製造業景況感指数のグラフ 2000年1月から2019年8月

しかし、足元の個人消費の堅調さや住宅市場の持ち直しなどに鑑みれば、非製造業景況感指数が大幅に低下する可能性は低いように思われる。むしろ、今後は製造業景況感指数が上昇することで両者の乖離が埋まるシナリオも考えるべきではないだろうか。

製造業は実体経済が先に回復か

ISM製造業景況感指数のデータと同時に発表される企業のコメントを見ると「関税」への言及が多く、指数低下の主因はトランプ政権の外交政策に対する不確実性の高さだといえる。しかし、鉱工業生産は今年4月を底に持ち直しの動きとなっている。【図表2】そのうち、製造業に限った数値も同時期に底打ちしている。また、設備稼働率も改善の兆しが見える。【図表3】対中制裁関税第3弾の税率が10%から25%に引き上げられたのが5月10日だが、その影響は未だ見られない。たとえ不確実性が高くとも、需要が拡大すれば生産が増えるし設備稼働率も高まるということだろう。

図表2 米国の鉱工業生産のグラフ 2000年1月から2019年8月
図表3 米国の設備稼働率のグラフ 2000年1月から2019年8月

もちろん、9月1日には制裁関税第4弾の一部が発動されたため、今後はその影響も合わせて注視する必要がある。ただし、これまでのように実際の生産活動に大きな影響を及ぼしていないということが明らかになってくれば、実体経済主導で企業の景況感が回復していく展開も期待できるかもしれない。前例のない状況であるがゆえに、必ずしも景況感の悪化通りに実態の企業活動が減速するとは限らないことに注意したい。

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