WTI原油は50米ドル割れの蓋然性が高まる

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  • No.290

WTI原油は50米ドル台で推移

7月初のOPECプラス会合以降、WTI原油先物価格はおおむね50米ドル台でのレンジ推移が続いている。【図表1】そうした中、今後はレンジの上限よりも下限を試す動きが強まると想定している。

図表1 WTI原油先物価格 のグラフ
(出所)ブルームバーグ

ロシアと米国で増産の動き

8月にロシアが増産に転じ、減産目標水準を上回ってきた。【図表2】従来、ロシアは協調減産に積極的ではなかったが、5月に発生した汚染原油の問題により意図せざる減産を強いられていた側面がある。しかし、その問題が解消したことで産油量が回復した格好だ。

図表2 ロシアの産油量 のグラフ
(出所)ブルームバーグ

また、米国でも8月にパーミアン地区から原油を輸送するためのパイプラインが操業を開始し、産油量は8月第4週に過去最高を更新した。【図表3】さらに年内、そして来年にかけても開通予定のパイプラインがあり、EIA(米国エネルギー情報局)によると一段と産油量が拡大する見通しだ。

図表3 米国の産油量 のグラフ
※見通しは月次(2019年9月~2020年12月)(出所)EIA

50米ドル割れを試す展開も

原油需要の大幅な改善は見込みづらい状況下、No.280『協調減産延長でも原油価格の上値は重い』でも述べた通り、原油価格を支えるためにはOPECプラスによる減産目標の拡大が必要になると考えている。しかし、ロシアが減産目標を破る水準まで増産し、OPEC加盟国の産油量も8月は小幅に増加した模様であり、逆にOPECプラスの協調性への懸念が高まりかねない状況だ。サウジアラビアから原油価格の下落をけん制する発言も聞かれるが、現状の価格水準ではロシアが減産に応じる動機が乏しく、原油価格が一段と下落しなければOPECプラスが協調して具体的な行動に移る公算は小さい。そのため、WTI原油は60米ドルを超えて上昇していくよりも、先に50米ドル割れを試す蓋然性が高まっているといえるだろう。

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