中国は金利制度改革で景気下支えの姿勢

  • Market Eyes
  • No.288

人民銀行が金利制度改革を発表

8月17日、中国人民銀行は金利制度改革の一環として、新たな基準で算出するLPR(最優遇貸出金利)を毎月20日に公表すると発表した。これまで1年物LPRは1年物貸出基準金利に連動してきたが、より市場の実勢が反映された1年物MLF(中期貸出ファシリティ)金利に連動することになる。【図表1】この制度変更によって、金融政策の実体経済への伝達効率が高まることや、市場金利の低下に比べて動きが鈍かった貸出金利が低下しやすくなることが期待される。【図表2】

図表1 中国の1年物LPR・貸出基準金利・MLF金利のグラフ
図表2 中国の貸出金利と10年国債利回りのグラフ

まずは小幅な金利低下にとどまる

制度変更後初めて公表された8月20日の1年物LPRは4.25%と、1年物貸出基準金利よりも0.10%ポイント低く、従来の1年物LPRよりも0.06%ポイント低く設定された。【図表1】まずは初回ということで混乱を避ける狙いがあったのかもしれないが、小幅な金利低下にとどまった格好だ。9月以降に公表される1年物LPRは1年物MLF金利に近づくかたちで一段と低下していくことが想定される。だが、貸出金利が低下するだけでは市中銀行の利ざやが圧迫されてしまうため、その低下余地は限られそうだ。そのため、貸出金利を大きく低下させるためには人民銀行が1年物MLF金利を引き下げる必要があり、その引き下げ幅が今後の注目点といえよう。

効果の発現には時間を要するが

足元でマネーサプライや銀行貸出残高の伸びが鈍化している。【図表3】今回の制度変更が効果を発揮するまでには時間を要するだろうが、当局が足元の景気減速を認め、下支えのために動き出したということは好感できよう。このほかにも、8月16日に国家発展改革委員会が今年と来年の可処分所得を引き上げる政策を打ち出すと表明している。米中貿易摩擦の長期化が意識される中で、景気下支えに向けた政策が今後も期待される。

図表3 中国のマネーサプライと銀行貸出残高の伸び率のグラフ
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