過度な人民元安懸念は後退も予断を許さず

  • Market Eyes
  • No.287

人民元が1米ドル=7元を突破

8月1日、トランプ米大統領が対中制裁関税第4弾を9月1日に発動すると表明した。これを受け、為替市場では急速に人民元安圧力が強まった。8月5日に中国人民銀行が人民元の基準値を今年初めて1米ドル=6.9元より人民元安方向に設定すると、当局が人民元安を容認したとの見方が市場で広がり人民元は一気に7元を突破した。【図表1】

図表1 オフショア人民元と人民元基準値

人民銀行は急速な元安を容認せず

中国は制裁関税第4弾に対する報復関税を示す余地がなく、人民元安進行を容認することによって追加関税の影響を緩和せざるを得ない。一方、急速な人民元安の進行は中国からの資本流出を招きかねない。8月2日以降、人民銀行は、人民元の基準値を前日比では人民元安水準に設定しながらも、前日のオンショア引け値に比べれば明らかに元高水準に設定した。【図表2】人民銀行による市場との対話も奏功し、これまでのところ無秩序な人民元安の進行を防ぐことができている。また、USTR(米国通商代表部)は8月13日、制裁関税第4弾の一部品目については発動を12月15日に遅らせると表明した。これを受けて人民元が買い戻され、人民元基準値とオフショア人民元の乖離は収束した。【図表3】

図表2 人民元基準値と前日オンショア人民元との乖離
図表3 人民元基準値とオフショア人民元との乖離

過度な懸念は後退も予断を許さず

米国による制裁関税第4弾の発動が段階的になったことから、人民元安が急速に進む懸念は和らいだといえる。もっとも、一部品目の関税発動延期は米国経済への影響を配慮したものであり、米国が中国に対して態度を軟化させた訳ではないことには留意したい。米中の交渉が進展しない限り、緩やかながらも人民元に対する下落圧力はかかりつづけるだろう。その他、香港デモについても事態の悪化が続けば人民元安要因となりうるため、これらの動向には引き続き注意が必要である。

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