米国は予防的利下げで景気後退確率低下へ

  • Market Eyes
  • No.284

米国の景気後退確率が上昇

NY連銀が算出している米国の1年先の景気後退確率が33%になっている。【図表1】これは長短金利差(10年国債利回りと3カ月国債利回りの差)を基に算出されている。【図表2】そのため、長短金利差が縮小すれば景気後退確率が上昇する傾向があり、足元で長短金利差がゼロ近くまで縮小している(一時的に逆転現象も起こっている)ことが懸念されている。そもそも、過去に比べて10年国債利回りの水準が低く、逆転現象が起こりやすくなっている現状において、長短金利差だけで景気後退を予測するのは危険だろう。しかし、市場参加者の注目度が高いだけに、この景気後退確率の変化を注視する必要はある。

図表1 米国の1年先の景気後退確率(NY連銀算出)
図表2 米国の長短金利差

FRBは予防的利下げへ

FRB(米国連邦準備制度理事会)メンバーは、総じて米国経済が景気後退に向かっているとは考えていない模様だ。ただし、まずは来週のFOMC(米国連邦公開市場委員会)で「予防的利下げ」に動くようだ。先週、NY連銀のウィリアムズ総裁は、今回実施する利下げを「予防接種」に例えた。つまり、予防接種を打てば、①病気にかからないとは限らないが、病気にかかる確率は低下する。②もし病気になっても症状は軽く、治るのも早い。③打ちすぎても意味がない。このように解釈できる。これを予防的利下げに換言すると、①景気後退に陥らないとは限らないが、景気後退に陥る可能性は低下する。②もし景気後退に陥ったとしても底は浅く、早く回復に向かう。③予防的利下げは小幅にとどまる。ということになるだろう。

景気後退確率は低下へ

市場の織り込みどおり7月と9月の会合で合計0.5%ポイントの利下げが実施されれば、3カ月国債利回りは1.9%近傍かそれを下回る水準まで低下しそうだ。【図表3】一方、10年国債利回りは、来年末までの1%ポイントの利下げを織り込んだ水準であり、追加的な材料がなければ低下余地は限られる。今後、0.5%ポイントの予防的利下げによって、長短金利差が拡大し、NY連銀が算出している景気後退確率も低下することが期待される。

図表3 米国のイールドカーブ
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