協調減産延長でも原油価格の上値は重い

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  • No.280

OPECプラスは協調減産延長で合意

7月1日(現地、以下同様)にOPEC(石油輸出国機構)総会が開催された後、翌2日にロシアなど非OPEC加盟国を含めたOPECプラス会合が開催され、協調減産を2020年3月31日まで9カ月間延長することが正式決定された。減産目標は昨年12月の会合で決定したものが継続される。
もっとも、先週末のG20大阪サミットに合わせて開催されたサウジアラビアとロシアの首脳会談後の記者会見において、ロシアのプーチン大統領が協調減産の継続で合意したと明言していたこともあり、サプライズはなかった。また、延長期間については、プーチン大統領は同会見において「6カ月になるか9カ月になるか分からない」と語り、結果的に9カ月の延長にすることでわずかながらポジティブサプライズを狙ったのかもしれないが、WTI原油先物価格は7月1日に前日比1.1%上昇した後、翌2日に4.8%下落した。【図表1】

図表1 WTI原油先物価格推移のグラフ 2018年1月初から2019年7月2日
(出所)ブルームバーグ

価格維持には更なる減産が必要に

協調減産の継続期待によってWTI原油先物価格の50米ドル割れは回避されたが、今回の結果では60米ドルを超えて一段と価格を押し上げるには力不足だろう。背景として、すでにOPEC加盟国は目標を大幅に上回る減産を実施しているため、今回の合意事項が産油量を絞ることにはつながらないからだ。【図表2】加えて、昨年12月の会合時点よりも原油の需要見通しが下方修正されているほか、今年の秋以降は米国で大幅な増産が見込まれている。【図表3】一方、今回の会合で9カ月間の協調減産延長が決定されたが、声明文によると今年12月にも会合を開催することが決議されている。世界経済の動向や米国の増産状況次第では、12月の会合で減産目標の拡大に動く可能性もある。

図表2 OPEC加盟国の産油量推移のグラフ 2014年1月から2019年6月
(出所)ブルームバーグ、OPEC
図表3 米国の産油量と原油掘削リグ稼動数推移のグラフ  2014年1月第1週から2019年6月第4週
※産油量の実績は2019年6月第3週まで
※産油量の見通しは2019年7月~2020年12月
(出所)EIA(米国エネルギー情報局)、BAKER HUGHES

WTI原油先物価格は、短期的にはイラン情勢の変化等に過剰反応することも考えられるが、当面は50米ドル台を中心とした推移を想定している。

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