カナダ経済は内需に回復の芽

  • Market Eyes
  • No.276

国内最終需要が急回復

カナダの2019年1-3月期の実質GDPは前期比年率+0.4%にとどまった。【図表1】一見、低成長が続いているようだが、中身は前期と全く異なる。過去4四半期連続で前期比年率+1%台に低迷していた個人消費が同+3.5%に加速し、設備投資は同+13.5%と4四半期ぶりのプラスに回帰した。成長率を押し下げたのは外需の低迷(輸出減少と輸入増加)であり、国内最終需要は前期比年率+3.4%と高い伸びを記録した。【図表2】これは、個人消費の減速や設備投資の落ち込みで低成長となった昨年10-12月期と異なり、年末年始の景気減速が一時的であったとの可能性を高める内容だ。

図表1カナダの実質GDPのグラフ
(出所)カナダ統計局
図表2カナダの国内最終需要のグラフ
(出所)カナダ統計局

内需の回復傾向は続く公算

内需の回復は続きそうだ。カナダの雇用者数は、4月に前月比+10.65万人と急増した後、5月も前月比+2.77万人と拡大傾向が続いている。結果的に失業率は5月に5.4%と、データの比較が可能な1976年以降の最低を更新した。【図表3】さらに、平均時給の伸びも加速しており、労働市場は好調を維持している。

図表3カナダの失業率のグラフ
(出所)カナダ統計局

また、米国がカナダとメキシコに課していた鉄鉱とアルミニウムに対する追加関税を5月に撤廃したことに加え、不法移民をめぐる米国とメキシコの問題が解決に向かっていることは、カナダ経済にとっても追い風だ。これらは、NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新たな貿易協定であるUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の批准の可能性を高めるとともに、企業の設備投資などを後押しする要因となりそうだ。

カナダは利下げ見通し広がらず

今月はオーストラリアで利下げが実施され、米国でも年内に複数回の利下げを市場は織り込んでいる。一方、カナダの景気回復シナリオは堅固で、年内は政策金利が据え置かれるとの見方が大勢だ。

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