イランの原油輸出量が急減

  • Market Eyes
  • No.275

イランの原油輸出量が急減

ブルームバーグの集計では、4月から5月にかけてイランの原油輸出量が急減した。【図表1】背景に、米国が8カ国・地域に認めていたイラン産原油の禁輸措置の猶予を5月2日以降は延長しない決定を下したことがある。4月まで輸入を続けていた中国・インド・トルコのうち、インドとトルコはゼロに、中国も輸入量を縮小させた。なお、5月データの「その他」は全て行き先不明である。

図表1 イランの国別原油輸出量のグラフ
(出所)ブルームバーグ

イランの産油量は5月に一段と減少したが、サウジアラビアなどが増産に転じたことで、その減少分が補われた。【図表2】ただ、イランの減産は輸出の減少に対して小さく、今後も制裁が続く限り、産油量はさらに減少する公算が大きい。

図表2 イランとサウジアラビアの産油量 のグラフ
(出所)ブルームバーグ

OPECプラス協調減産の行方に注目

5月はWTI原油先物価格が月間で約16%下落した。米中貿易摩擦の激化による景気減速懸念や米国の原油在庫の積み上がりなどが売り材料視されたが、もしOPECプラス(石油輸出国機構加盟国とロシアなど)の協調減産が継続されなくなれば、一段と原油価格が下落するリスクが高まる。
そこで、6月25、26日開催予定(7月上旬に延期されるとの観測もある)のOPEC・OPECプラス会合が注目される。懸念材料は協調減産の継続に否定的な立場を示していたロシアの存在である。しかし、汚染原油の問題によりロシアは直近で意図せざる減産を強いられており、協調減産から外れてもすぐに増産するのは困難な状況だ。【図表3】さらに、原油価格が急落したことも、ロシアが協調減産の枠組みに残る動機づけになるだろう。

図表3ロシアの産油量のグラフ
(出所)ブルームバーグ

4月時点でOPECプラスの減産順守率が168%に達するなど目標を大きく上回る減産が続いている。過度な減産を修正することでイラン産原油の減少分を補うこととし、協調減産の枠組みを継続することができれば、原油価格のさらなる下落リスクを抑制することにつながるだろう。

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