カナダ・ドルを覆う霧が晴れるとき

  • Market Eyes
  • No.236

NAFTA再交渉の合意期待が高まる

ここにきてNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉が進展をみせている。8月27日、米国とメキシコが新たな貿易協定に大筋合意した後、翌28日からは米国のライトハイザー通商代表部代表とカナダのフリーランド外相との会談が始まった。トランプ米大統領が期限としていた8月31日までに合意に達することができなかったが、9月5日から協議を再開する予定で、両者とも早期の妥結に向けて意欲的だ。

米国とメキシコが合意した貿易協定にカナダが加わるのか、米国とカナダが新たな貿易協定を結ぶのか、依然として不透明な部分はあるものの、いずれにしても市場の重石となっていた通商問題が進展することは、カナダ・ドルにとって追い風となるだろう。

実体経済は引き続き良好で追加利上げをうかがう

2018年4-6月期の実質GDPは、輸出や個人消費の拡大などが寄与し、前期比年率+2.9%と1-3月期から成長率が加速した。【図表1】

輸出拡大の要因として、原油価格の上昇が挙げられる。【図表2】引き続きベネズエラやイランで産油量の減少が想定されることに加え、足元では米国の産油量にも頭打ち感がみられる。当面は、供給面の不安を背景に原油価格は底堅い推移が見込まれ、カナダ経済の追い風になることが期待される。

国内経済も力強く、賃金の上昇を伴って個人消費が拡大している。さらに、インフレ率はカナダ中銀が目標とする前年比+1?3%のレンジの上限に達している。【図表3】また、3つのコア指数も前年比+2%近傍で推移しており、低金利政策からの脱却を進める環境は整っていると思われる。

カナダ中銀は、すでに今年2度の利上げを行なったが、10月にも追加利上げを実施する可能性が高まっている。【図表4】日銀が現状の金融政策を当面の間続けることが見込まれる中、カナダ中銀による追加利上げ観測は、カナダと日本の金利差拡大を通じてカナダ・ドル円の上昇要因として働くことが期待される。

カナダ・ドルを取り巻く環境は改善へ

これまで、堅調な経済、上昇基調の原油相場、追加利上げ期待などがカナダ・ドルを下支えしてきたが、NAFTA再交渉を巡る不透明感などが重石となっていた。しかし、足元でNAFTA再交渉が進展をみせていることから、カナダ・ドルを覆う霧が晴れ、カナダ・ドル円の上昇を期待できる局面が近づいていると言えそうだ。

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