米国の労働市場はまだ改善の余地あり

  • Market Eyes
  • No.233

米国の失業率は2000年以来の低水準まで改善

米国の失業率*1はリーマン・ショック前の最低水準を下回り、2000年以来の水準まで改善している。【図表1】FRB(米国連邦準備制度理事会)は失業率4.5%を完全雇用の状態と考えており、この水準を下回っていれば雇用の伸びは鈍化すると考えるのが普通である。しかし、昨年5月に失業率が4.5%を下回って以降も雇用の拡大ペースは衰えることなく、非農業部門雇用者数は月平均20万人近い増加が続いている。

失業率と就業率に大きな乖離

失業率との連動性が高かった就業率*2は2010年以降伸び悩んでおり、両者は大きくかい離している。【図表2】これは労働参加率が低下したことと同じであり、理由としては高齢化の進展により構造的に就業率が上がりづらくなっていること、職探しをあきらめた人が増加したことなどが考えられる。また、インターネットの普及などにより以前に比べて雇用のミスマッチが起こりづらく失業率が下がりやすくなっていることも考慮すれば、失業率という単一の物差しだけで労働市場のひっ迫度合を評価すると、実態を見誤る可能性がある

働き盛りの年代の就業率にも上昇余地

先に述べた通り就業率には構造的な問題があるため、働き盛りの年代(25-54歳)に絞った就業率をみると、全体の就業率に比べれば回復ペースが早いことが分かる。【図表3】もっとも、過去の景気拡大時は80%を超える水準まで上昇していたことに鑑みれば、さらなる上昇の余地もあると考えられる。

労働力人口の増加でさらなる雇用の拡大期待

さらなる雇用拡大のためには労働力人口*3の増加が必要である。リーマン・ショック以降に職探しをあきらめた人が増えたために労働力人口が伸び悩み、就業率に比べて失業率の改善が早まった。しかし、足元では職探しをあきらめていた人々も労働市場に戻ってきている模様で、再び労働力人口が伸び始めている。【図表4】

この1年で労働力人口が200万人近く増加しており、このペースが続けば失業率が横ばいで推移してもこれまでのような雇用者数の堅調な伸びが期待できる。したがって、当面は労働市場の改善が継続することが想定でき、ひいては米国の景気拡大もしばらく続くと言えよう。

*1失業率:労働力人口に占める失業者の割合
*2就業率:15歳以上の人口に占める就業者の割合
*3労働力人口:15歳以上の就業者と職探しをしている人の合計

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