米国長期金利

  • Market Eyes
  • No.230
~FOMCを無難に通過、7月は需給要因に注目~

利上げ決定、今年・来年の金利見通しを上方修正

6月12~13日(現地)に開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、市場予想通り政策金利を0.25%引き上げることが決定された。3月に次いで今年2回目の利上げとなった。

また、FRB(米国連邦準備制度理事会)メンバーの政策金利見通しの中央値によると、今年の利上げ回数が3月会合時点の3回から4回に引き上げられた。(1回あたりの利上げ回数を0.25%と仮定)【図表1】さらに、来年末時点の政策金利見通しも引き上げられた。これらの見通し変更などを受けて米国の長期金利(10年国債利回り)は上昇したが、小幅なものにとどまっている。

政策金利の長期見通しに変更なし

『Market Eyes No.227 米国10年国債利回りの上昇余地は』では、今回のFOMCで長期見通し(中立金利*)が大幅に上方修正される可能性は低いと述べたが、むしろ全く変化がなかったことが意外であり、30年国債利回りは前日比で小幅に低下した。これが長期金利の上値を抑えた主因だろう。今後も長期金利は中立金利や30年国債利回りを意識した推移が予想されるため、上昇余地は限定的なものにとどまるだろう。【図表2】

注意すべきは、来年末には長期見通しを上回る水準まで政策金利を引き上げると予想されていることである。つまり、FRBメンバーの予想通りいくと、来年中には引き締め方向に転じることになる。パウエルFRB議長は記者会見の冒頭で、これまで四半期ごととしていたFOMC後の会見を来年から全ての会合後に実施すると表明した。それだけ市場との対話がより重要な局面を迎えていると解釈できる。

7月は需給要因に注目

米国の長期金利は、昨年10月、今年1月と4月に大きく上昇した。【図表3】これはFRBの資産縮小ペースの変化の時期とも一致する。【図表4】FRBは3カ月ごとに資産縮小ペースを早めているため、需給要因が影響していることが考えられる。また、今年1月の上昇幅が相対的に大きかったのは、大型減税による米国の財政悪化懸念に加え、ECB(欧州中央銀行)の資産拡大ペースが月額600億ユーロから300億ユーロに減額された影響があるとも考えられる。

この需給要因が米国金利の上昇に寄与しているのであれば、次に資産縮小ペースが加速する7月に長期金利が上昇する可能性が高いと思われる。ただし、ECBの資産拡大ペースが変わらないことや、今回のFOMCで中立金利に変化がなかったことに鑑みれば、長期金利が早期に3%台半ばを超えて上昇するような展開は想定しづらいと考えられる。

*中立金利とは、景気に対して緩和的でも引き締め的でもない金利水準であり、米国ではFRBメンバーの政策金利長期見通しの中央値を用いるのが一般的

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