OPEC総会を控え、揺れる原油相場

  • Market Eyes
  • No.229

上昇基調にあった原油価格が調整

『Market Eyes No.222 堅調に推移する原油価格 ~短期的にはさらに上値をめざす可能性~』で示した通り、WTI原油先物価格は堅調に推移し、80米ドル/バレルをめざす展開となっていたかに思われた。しかし、その前提としていたOPEC(石油輸出国機構)の協調減産に変化が出て、直近高値の72米ドル台から足元では60米ドル台半ばまで下落している。【図表1】

OPEC総会を前に増産の観測が浮上

OPEC加盟国など産油国の協調減産開始前の2016年12月と比較して、OPEC全体の産油量は日量120万バレルを超える減産となっている。【図表2】昨年11月のOPEC総会では、今年3月末までとしていた協調減産を今年末まで延長することで合意していた。しかし、5月下旬、ベネズエラなどの減産分を補うために6月22日開催予定のOPEC総会で減産の緩和を検討するとの報道が出た。

さらに6月初旬、米国政府がサウジアラビアなど一部のOPEC加盟国に対して、産油量を日量100万バレル程度増やすよう求めていると報じられた。米国がOPECに対してこのような要請をするのは異例だが、米国ではガソリン価格が約3年半ぶりの水準まで上昇しており、イランへの制裁が再開されると価格がさらに高騰するとの懸念が背景にあるようだ。

足元の原油価格水準は、日量100万バレル程度の増産(減産の緩和)をある程度織り込んでいると思われ、実際にOPEC総会で同程度の増産が決定されても一段の下落余地は限定的だと考えられる。

米国の産油量は原油価格次第

米国の原油掘削リグ稼働数が年初から少しずつ増加し、産油量も緩やかな増加基調となっている。【図表3】昨年12月に実施されたダラス連銀のアンケート調査によれば、原油価格が70米ドルを超える水準では、少なくとも8割のシェール開発企業がリグの稼働数を増加させると答えている。【図表4】リグの稼働決定から産油量が増加するまでの間には数カ月のタイムラグがあるため、しばらくは産油量の増加が続くと思われる。

一方、もし原油価格が今後60米ドルを下回ることになれば、リグの稼働数は減少することが見込まれ、産油量の減少も意識されることになる。米国の産油量は緩やかな増加が市場コンセンサスとなっている模様で、それが崩れる可能性が浮上すれば原油価格の下支え要因になると考えられる。

当面の見通し

6月22日のOPEC総会で協調減産の継続が決定されれば、引き続き原油価格は80米ドルをめざす展開を想定する。また、日量100万バレル程度の増産が決定されると、目先は上値が重たくなるだろうが、基調としては上昇傾向を維持すると予想する。

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