堅調なカナダ経済と原油価格の安定化、 さらなる利上げ期待がカナダ・ドルの追い風に

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  • No.220

労働市場の改善が鮮明に

カナダの2017年11月の失業率は5.9%と、前月の6.3%から大きく低下し、2008年2月以来の低水準まで改善した。【図表1】この1年間で雇用者数は39万人増加し、特にフルタイム雇用者数が44万人増加したことが大きく寄与した。カナダの労働市場は、質も伴いながら改善傾向が鮮明になっていると考えられる。

インフレ率の上昇期待が高まる

比較的賃金の高いフルタイム雇用者を中心に雇用者数が増加していることなどから、2017年は時間当たり賃金の上昇率が加速した。【図表2】足元では前年比で+3%に近い水準まで改善している。過去の賃金とインフレ率の連動性は高く、賃金の上昇を背景とした需要の拡大から、今後のインフレ率の上昇も期待される。

2018年もさらなる利上げが見込まれる

カナダの中央銀行にあたるカナダ銀行は2017年7月と9月にそれぞれ0.25%ポイントずつ政策金利を引き上げた。【図表3】日銀の金融緩和策により金利が低位に抑えられている日本との金利差拡大を背景に、カナダ・ドル円は足元で上昇基調にある。しかし、カナダの政策金利は、2015年に利下げした分を取り戻したにすぎず、リーマン・ショック前と比べると依然低い水準にある。

労働市場の改善が鮮明となるなかでインフレ率の上昇圧力も高まっていることから、市場では2018年も2回(0.5%)程度の利上げが予想されている。2017年12月6日、カナダ銀行は金融政策委員会で政策金利の据え置きを決定したと発表したが、将来的にさらなる利上げが必要になる可能性についても言及した。今後、追加利上げへの期待がカナダ・ドルの下支え要因として働くと考えられる。

協調減産延長で原油価格の安定が続く可能性

カナダ・ドルの対米ドルレートは原油価格との連動性が高いことで知られている。【図表4】2014年半ばから原油価格が大きく下落した局面では、カナダ・ドル安米ドル高が進行した。しかし、2016年2月に原油価格が底を打つと、カナダ・ドルも対米ドルで反発し、その後も底堅い値動きを示している。

2017年11月30日、OPEC(石油輸出国機構)は2018年3月までとしていた原油の協調減産を2018年末まで延長することで合意した。今後も需給の拮抗が見込まれるなか、原油価格は安定した推移が続く可能性が高まっているだろう。

カナダ・ドルを取り巻く環境はおおむね良好

NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉など不透明要因は残るものの、堅調な国内経済の拡大を背景とした利上げ期待や産油国の協調による原油価格の安定など、国内外のカナダ・ドルを取り巻く環境は改善の方向に進んでいると考えられる。

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