『ESG』に着目した投資の高まり

  • Market Eyes
  • No.215

環境(E)、社会(S)、企業統治(G)に着目

日本株投資において、企業価値を評価する材料として「ESG」への関心が高まっている。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を合わせた言葉。これら3つの要素から企業を分析し、優れた取り組みを実践する企業に投資をするのがESG投資だ。

従来の一般的な株式投資では、市場における需給動向や利益率やキャッシュフロー、資本の効率性など財務情報を分析して企業を選別してきた。これに加え、非財務情報であるESGの要素を考慮することによって、長期投資を行う上で重要な「企業の持続的な成長力」を判断する動きが顕著になっている。ESGに関する要素は様々だが、一例としては「環境(E)」は地球温暖化対策の状況、「社会(S)」は女性従業員の活躍度合い、「企業統治(G)」は取締役の構成などが挙げられる。

世界のESG投資額の統計を集計している国際団体のGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)によると、世界全体のESG投資額は、22兆8,900億米ドル(約2,541兆円、1米ドル=111円で換算)もの規模に達している。運用資産に占めるESG投資の比率では、日本は3.4%で、ESG投資で先行している欧州などと比べまだまだ低いのが現状だ。【図表1】

GPIF、ESG投資に約1兆円

こうした中、日本で、ESG投資への新たな動きが広がりつつある。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が7月3日、ESG投資の運用を始めたと発表。GPIFの公表によると今年の6月末までに、当初は国内株全体の3%程度にあたる約1兆円の組み入れを開始。将来的にはその投資額を増やしていく見込みであり、他の年金などを運用する機関投資家が追随する動きが広がりそうだ。

GPIFによるESG投資は3つの新しい株価指数に連動した運用をめざす手法だ。具体的には、環境(E)・社会(S)・企業統治(G)のESG全般を考慮に入れた「総合型」指数2つと、社会(S)のうち女性活躍に着目した「テーマ型」指数1つを選定、その指数に連動するようにパッシブ運用を行なう。【図表2】

GPIFが公表した過去の5年間(2012年4月~2017年3月)の試算によると、今回選定された各ESG指数ともにTOPIXを上回るリターンを獲得し、この3つの指数を組み合わせた「ESGポートフォリオ」は、リスク低減効果が確認された。【図表3】

このような投資の拡大は、日本企業のESG評価向上のインセンティブになり、その対応が強化されることにより長期的な企業価値の向上につながる効果が期待される。またこうした企業のESG評価向上により、ESGを重視する海外投資家からの資金流入につながれば、日本株全体のパフォーマンス向上にも寄与する可能性がある。

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