『米国』利上げ時期を探る

  • Market Eyes
  • No.210

3月14,15日の会合を控え、追加利上げを意識したFRB(米連邦準備制度理事会)高官の発言が目立つ【図表1】。背景には、FRBの二大責務(デュアル・マンデート)である「雇用の最大化(完全雇用)」と「物価の安定(インフレ率2%目標)」の達成が近いとの目算があるようだ。

デュアル・マンデートの達成状況

雇用環境はリーマン・ショックの落ち込みから底堅い改善を続け、失業率は5%を下回る水準で安定して推移している【図表2】。平均時給も2017年1月まで11カ月連続で前年比+2.5%以上の上昇をしており、完全雇用が近づき雇用市場がひっ迫しつつあることを示している。

FRBはインフレ率2%目標を掲げているが、その参考とされる指標は名目と実質の個人消費支出(PCE)を基に算出されるPCEデフレーターである。直近発表された1月のPCEデフレーターは前年比+1.9%とFRBが目標とする水準まで回復した【図表3】。デュアル・マンデートの達成が近づいているなか、3月の追加利上げは現実的なものとなりそうだ。

マーケットはどう動くか

足元の追加利上げ観測の高まりに大きく反応しているのが米国の2年債利回りである。3月7日には1.328%と2009年来の高水準を記録した。金融政策の決定機関であるFOMC(米連邦公開市場委員会)の昨年12月時点の見通しによると、年内に3回の利上げを行ない、年末には政策金利の中央値が現在の0.625%から1.375%に達すると想定されている。米国の2年債利回りはさらに上昇する可能性が高いと考えられる。

一方、日本の2年債利回りは日銀の緩和的な金融政策もありマイナス圏での推移が継続している。以上を踏まえると、日米の金利差は今後拡大していくことになるが、米ドル円レートは2016年半ば頃から、日米の金利差と高い連動性が見られる【図表4】。

トランプ米政権下での保護主義の高まりが米ドル円レートの上値を抑える懸念はあるものの、米国の利上げは円安基調をサポートすることとなりそうだ。

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的として大和アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする「投資信託説明書(交付目論見書)」の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
  • 当資料は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。運用実績などの記載内容は過去の実績であり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。記載内容は資料作成時点のものであり、予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。