日本株式『自社株買い』が株価上昇要因に

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  • No.187

今年に入ってから企業の自社株買いが急増している。四半期ベースの自社株買い金額は3月14日現在で、2005年以来、11年ぶりの高水準を記録している【図表1】 。その背景には高い水準にある『企業の保有現金』と『マイナス金利』がある。企業が保有する現金は2015年末現在、171兆円と高水準にある【図表2】。一方でマイナス金利導入で、企業が利益を生まない現金を保有し続けることへの株主の不満が高まっている。

株主は自分たちが投資した”お金”が効率的に使われ、最大限の利益を生み出すことを経営者に望んでいる。この資本の効率性を示す指標がROE(株主資本利益率)である。ROEは、

で算出される。2015 年末の米国企業のROEが11.7%に対して、日本企業のROEは8.2%と低く、経営努力が望まれている。

ROEを上昇させるには分子の純利益を増やすか、分母の株主資本を減らすかであるが、純利益の大幅な増加は円高傾向や新興国経済の低迷で難しくなっている。分母の株主資本は保有現金を使って自社株買いや増配を行なうことで減らすことができる。今年に入ってから、株価が値下がりしており【図表3】、企業は自社株買いの好機と捉えているようだ。

今年の1‐3月期に発表された自社株買いは3月14日現在、2.2兆円と11年ぶりの高水準を記録しており【図表1】、年間で約9兆円のペースになる。アベノミクス相場以降、日本株市場をリードしてきた外国人投資家の買い越し額は年平均5.2兆円(2013年~2015年平均)であり、それを大きく上回るペースである。

年初来、日経平均株価は2月の安値まで20%以上下落した。その逆風の中で、自社株買いの発表から1週間以内で、株価が2桁の上昇を記録した企業もあり、自社株買いの効果が見て取れる【図表4】。

自社株買いが株価の上昇要因になりそうだ。

当ページに記載している銘柄は、年初来自社株買いを発表した企業の一例であり、個別企業の推奨を目的とするものではありません。

(出所)大和証券、財務省、ブルームバーグ

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