『豪ドル』底入れの兆し

  • Market Eyes
  • No.178
  • 2013年5月以降、豪ドル(対米ドル)は下落基調を続け、今年9月の安値まで約3割の下落となった【図表1】。豪ドル安要因には、①『中国経済の減速』 ②『米国の利上げ観測』 ③『豪州の利下げ懸念』の3つが挙げられている。

① 『中国経済の減速』

  • 中国経済は減速感を強めている。政府は今年夏の株式市場の急落から危機感を強め、景気対策を加速し始めた。中央銀行は『金融緩和』を進めており、李克強首相は11月9日、積極的な『財政投資』と『減税』の拡大を表明した。
  • 中国の積極的な景気対策で中国経済の減速に対する市場の過度な懸念は後退しつつある。その中で、豪州の中国向け鉄鉱石輸出量は過去最高を更新しており、金額ベースでも底入れの兆しを見せている【図表2】。

② 『米国の利上げ観測』

  • 米量的緩和で世界に流れた資金が、米利上げをきっかけに米国に逆戻りするとの思惑から、それまで資金が流入していた豪ドル(対米ドル)は売られる展開となった。
  • 11月18日、米FOMC(連邦公開市場委員会)の10月の議事録が公表された。年内利上げの可能性を強く示唆した内容であったにも関わらず、為替市場は米ドル安/豪ドル高に反応した。利上げを嫌っていた株式市場も、NYダウは前日比250ドル近く上昇した。米国の量的緩和終了(2014年10月)から既に1年以上経過しており、利上げはかなりの部分を織り込んだようである。

③ 『豪州の利下げ懸念』

  • 豪経済は景気の減速感が高まっていたが、11月12日に発表された10月の失業率が予想に反して改善、雇用者数も大幅に増加したため、景気への不安が和らいだ。利下げの可能性は後退したとの見方が大勢になっている【図表3】。
  • 豪中銀スティーブンス総裁は『豪ドル安の恩恵で企業の生産・投資に目に見える効果が増え始めている』『豪州の経済成長は今後、徐々に強まる見通しだ』と回復への自信を示した。IMFの2016年の豪経済の成長率は2.9%と予想されており、米国の2.8%に肩を並べる成長率予想となっている。
  • 豪経済の回復は豪ドルの見直し買いを後押しすることになる。市場関係者の間では、豪ドルは3つの悪材料をほぼ織り込んだ水準にあり、豪ドルの最悪期は脱したとする見方も出始めた。
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