『中国経済』景気対策を加速

  • Market Eyes
  • No.174
  • 中国経済の減速懸念が世界経済を揺さぶっている。6月~8月、中国株式は40%超の急落を演じ、世界の金融市場を震撼させた【図表1】。中国政府は経済のハード・ランディング(急激な景気失速)を回避するため、景気対策を一段と加速させている。
  • 中国は景気対策として、『金融政策』と『財政政策』を打ち出した。『金融政策』では、8月25日と10月23日に、「政策金利」と「預金準備率」の引き下げを同時発表した。2つの金融政策手段を同時に引き下げるのは、2008年のリーマン・ショック以来であり、異例の対応といえる。
  • 『財政政策』では、インフラ整備を中心に財政出動の拡大を打ち出した。今年の財政支出の1月~7月の累計額は前年同期比で+13.4%のペースであったが、8月は前年比+25.9%増、9月は同+26.9%増と拡大ピッチを強めている【図表2】。
  • 景気対策の加速の効果で、足元の経済統計に回復の兆しが表れ始めている。銀行からの「新規融資額」が増加を見せている。企業の資金需要が増加し、実体経済にお金が回り始めたようだ。9月の新規融資額は1兆500億元と、市場予想の9,000億元を上回り、8月の8,096億元から約30%増加した。【図表3】は「新規融資額」の12ヵ月移動平均の推移である。6月以降、伸びが加速している。
  • 2012年以降、地方政府の不動産開発の急増から不動産価格が急騰した。中央政府は不動産バブルを警戒し、2013年2月から不動産取引の規制を強化したが、規制強化が厳し過ぎたため、2014年から不動産価格は一転急落となった。これが中国経済の減速のきっかけとなった。
  • 不動産価格急落による社会的混乱を恐れた政府は2014年5月頃から徐々に規制緩和の方向に転じた。不動産価格は2015年4月に底入れを果たし、【図表4】、前月比ベースでは5月以降、プラスに転じている。株式市場も9月に入って、底打ちの兆しを見せている【図表1】。
  • 市場では、中国が追加的な景気対策に踏み切るとの見方も強い。経済統計の好転が広がれば、中国経済に過剰に悲観的である金融市場が落ち着きを取り戻すきっかけになりそうだ。
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