日米の金融政策の違い『ドル高・円安』を後押し

  • Market Eyes
  • No.147
  • 2008年の金融危機のあと、日米欧は景気底上げのために金融緩和に動いた。低金利政策だけでは景気回復に不足との判断で、中央銀行は債券などの金融資産を購入することで、通貨供給量(マネタリーベース)を増やす量的金融緩和策を導入した。
  • 【図表】は日米欧の量的金融緩和の『マネタリーベース』(対GDP比)の比較である。各国(地域)の経済規模(GDP)に対して何%の通貨を供給したかを量り、マネタリーベースの大きさを比較したものである。
  • 9月末現在の日銀(日本銀行)のマネタリーベース(253兆円)は対GDP(484兆円)比52%、FRB(米国の中央銀行)のマネタリーベース(4.05兆ドル)は対GDP(17.6兆ドル)比23%、ECB(ユーロ圏の中央銀行)のマネタリーベース(1.21兆ユーロ)は対GDP(10.1兆ユーロ)比12%である。日本のマネタリーベース対GDP比は米国の2.3倍、ユーロ圏の4.3倍と、正に『異次元緩和』と言える。
  • 欧州経済は足元で減速感を強めており、ECBは来年早期に量的金融緩和を開始する公算がある。予想されている緩和の規模1兆ユーロを加えると、ECBのマネタリーベース対GDP比は22%となり、FRBとほぼ肩を並べる規模になる。
  • 日銀による年間80兆円のマネタリーベース拡大に加え、ECBが期待通り1兆ユーロを拡大すれば合計で約2兆ドルとなり、米国の量的金融緩和第3弾(QE3)で供給した総額約1.6兆ドルを上回る規模になる。FRBの量的金融緩和終了が世界市場の流動性低下の不安材料になっているが、日欧の量的金融緩和が流動性低下による下振れリスクを軽減できる規模になる。
  • 日銀のGDP比マネタリーベースは2015年末には70%強にまで拡大する見込みである。『量的緩和終了から利上げに向う米国』『異次元緩和を続ける日本』、日米の金融政策の違いがより意識される展開となり、『ドル高・円安』のトレンドは長期化が予想される。
図やグラフ
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