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トルコ中央銀行は利上げできるか(2018 年9 月)

2018年9月10日

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<トルコ中央銀行は金融政策を調整することを宣言>

年初からトルコ・リラは下落が続いています。8 月にはトランプ米大統領がトルコに対する鉄鋼・アルミの関税の引き上げを表明するなど対米関係の悪化が懸念され、トルコ・リラは対円、対米ドルで最安値を更新しました。

その後、トルコ中央銀行が銀行に対する資本規制を強化したことなどを受けて、最安値からは反発しました。しかし、@中央銀行の独立性をめぐる懸念、Aインフレや経常収支赤字などファンダメンタルズ面での懸念、B欧米諸国との対外関係をめぐる懸念などに注目が集まりやすい環境に変わりはありません。ただし、足元ではいくつかの状況に変化の兆しも見えはじめています。

8 月の消費者物価指数が事前の市場予想を上回る結果となった直後、トルコ中央銀行は9 月13 日(現地、以下同様)に開催予定の金融政策委員会で、金融政策を調整することを宣言しました。市場が利上げを見込んでいた7 月の金融政策委員会で政策金利が据え置かれた背景には、エルドアン大統領が金利の引き下げを望んでいたことがあるとみられ、次回の金融政策委員会でどの様な決定が下されるかに注目が集まっています。トルコ・リラ安に歯止めをかけるためにはエルドアン大統領の意向に反して、大幅な利上げが必要と考えています。

また足元の通貨安が、トルコの経常収支の赤字にどの様に影響するかにも注目しています。特に観光収支の黒字の増加を背景にサービス収支の回復基調が続いています。観光客数も前年同月比で増加基調が続いており、2018 年1 月から7 月までで2,164 万人(前年同期比+24.9%)の外国人観光客がトルコを訪れました。

貿易統計においても、7 月の輸出は前年同月比で+11.6%となった一方で、輸入は−6.7%となるなど、貿易収支に改善の兆しも見られます。依然として経常収支赤字は巨額ですが、こういった通貨安の効果などにより緩やかな改善が続いていくと見込んでいます。

対米関係悪化の主要因である米国人牧師を長期間拘束している件についても、注目しています。牧師は2016 年7 月のクーデター未遂事件に関与したとして逮捕・収監され、裁判が続いています。

エルドアン大統領は、経済制裁など米国の脅しには屈しない姿勢を示していますが、法の下での釈放であれば、自身の体面を保ちつつ米国との関係を改善方向に進めることができるのではないかと考えています。

トルコ金融市場は、引き続きニュースや要人発言などに反応しやすい環境が続くことが想定されます。短期的には、13 日の中央銀行の金融政策判断が最大の注目点となります。トルコ中央銀行が市場からの信任を回復することが、市場の安定を取り戻す第一歩として必要だと考えています。その後も、中長期的なトルコのファンダメンタルズを改善させるための財政緊縮策や構造改革への道筋を示すこと、対外関係を改善することなど解決すべき課題は多いですが、引き続き状況を注視していきたいと考えています。

以上

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