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ファンドマネージャーの運用ノート※

深セン訪問記(デジタルエコノミー編)(2018年8月)〜ファンドマネージャーが見たイノベーション都市「深セン」の今〜


2018年8月7日

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※当資料は、大和投資信託の運用チームの相場の見方をお伝えするレポートです。
 大和投資信託が設定・運用するファンドにおける投資判断と必ずしも一致するものではありません。


中国政府は、インターネットと既存産業を結びつけて新たな発展を推進する「インターネットプラス」を通じ、インターネットやビッグデータ、AI(人工知能)と実体経済の高度な融合の促進に取り組んでいます。中国では、政府による後押しなどを背景にスマートフォンが急速に普及し、モバイル決済やLBS(位置情報サービス)、オンライン医療などの新ビジネスが次々と誕生しています。このような変革をもたらし得る新しい事業領域は、ファンドの投資先としても魅力的だと考えています。

今回、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深センを訪問することで、こうした新ビジネスが人々の生活にどのような変化をもたらしているのかを体感してきました。第一弾として、イノベーション都市「深セン」の「デジタルエコノミー」などを中心にお伝えできればと思います。

<急成長するデジタルエコノミー@〜どこに行ってもQRコード〜>

中国では、スマートフォンの普及とともにモバイル決済が急速に普及しました。モバイル決済市場では、アリババの「アリペイ(Alipay)」とテンセントの「ウィチャットペイ(WeChatPay)」が二強となっています。こうしたモバイル決済の拡大をけん引しているのが、QRコード決済の急速な普及です。利用者は、QRコードに手持ちのスマートフォンをかざすと、簡単に支払いを済ますことができます。実際に深センの街を歩くと、ホテルの受付・客室、レストラン、ショッピングモール、街中の看板や広告、公共バスの車体にまでQRコードが表示され、スマートフォンなしで日常生活を送ることが困難な状態になっていると感じました。アリババは、アリペイと連携し、決済情報を元に個人の信用度を点数化する信用スコアサービス「芝麻信用(セサミ・クレジット)」を提供しており、“信用の可視化”の浸透がモバイル決済市場拡大の突破口になったと考えられます。

<急成長するデジタルエコノミーA〜拡大していくオンラインサービス〜>

テンセントの運営するウィチャット(WeChat)は、アクティブユーザー数がすでに10億人を突破し、その機能は単なるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)にとどまっていません。支払いサービスである「ウィチャットペイ」を展開し、エンターテインメント、ショッピングでの利用だけでなく、年金や社会保障、光熱費、健康管理など多岐にわたっています。ウィチャットペイなどのモバイル決済は、人々の生活とあらゆる面で結びつき、生活に欠かせないサービスに発展しています。

<急成長するデジタルエコノミーB〜注目のビジネス「ニューリテール」〜>

2016年、アリババの創業者であるジャック・マー会長は「『Eコマース』という言葉はすぐになくなる」と言い放ち、その代わりに「ニューリテール」が誕生すると語りました。「ニューリテール」とは、Eコマースなど“オンライン”での消費行動などのビッグデータを分析し、“オフライン”での購買活動に影響を与えるというものであり、“オンライン”と“オフライン”、そして物流機能まで結合させた新しいビジネスモデルと言えます。中国では、“キャッシュレス“スーパーマーケットである「盒馬(フーマー)鮮生」、カーディーラーである「車の自動販売機」、ショッピングモールである「MoreMall(猫茂)」、モバイル決済のコンビニエンスストアである「Tmallスマートコンビニ」など、ニューリテール戦略に基づいた店舗が次々と誕生しています。

今回、アリババが出資する「盒馬鮮生」を訪れました。このスーパーマーケットでは、主に肉、魚介、野菜や果物などの生鮮食品や加工食品を取り扱っています。一見すると普通の店舗と違いがないようですが、並んでいる商品の多くは、近隣のオンライン顧客のビッグデータを分析した結果に基づき、地域ごとに最適な商品が陳列される仕組みになっているそうです。そのため、一般的なスーパーマーケットと比べても売場面積を少なくでき、その余剰分を配送用の倉庫として活用しています。また立地についてもスムーズに配達できる道路事情や住宅環境などを優先的に考慮したことで、近隣の5km圏内であればインターネット経由の注文から30分以内で配送できるサービスを実現しました。このサービスの利便性が人気を集めており、今後も中国国内の店舗数を大きく拡大させる予定があるそうです。

アリババやテンセントのようなオンラインサービスで築いたプラットホームやビッグデータなどをベースにした強力なサプライチェーンシステムは、先進的であり、競争力が高いと考えられることから、今後も多くの分野でテクノロジーと融合させた商品化やサービス化を進めていくと見込まれます。今後も中国企業の成長に引き続き注目です。

<【番外編】発展し続ける都市深セン〜上へ上へと伸び行く高層ビル〜>

深センは、2017年のGDP(域内総生産)成長率(前年比)は8.8%(中国全土6.9%)に達し、世界で最も勢いのある都市の一つといっても過言ではありません。北京、上海、広州と並ぶ「中国四大一線都市」の一つであり、その位置は、中国南部の広東省にあり、市の南側は香港に隣接しています。また西側と南東側は海に面して利便性が高く、中国でも有数の貿易都市として国内だけでなく国外とも交流できたことから、海辺の小さな漁村から大都市への巨大な転換を遂げることができたと言われています。1980年代半ばには30万人に満たなかった漁民の街でしたが、今では常住人口1,200万人を超え、拡大し続けています。平均年齢は33歳と若く、有望ハイテク企業がずらりと並び、いたるところで高層ビルが上へ上へと伸びています。下記写真のような高層ビル群がある中、今年に入ってから高さ700mを誇る高層ビルの建設が始まり、完成すれば現在最も高い「平安国際金融センター(高さ約600m)」を超えると言われています。発展し続ける都市として今後も注目です。

以上

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