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足元の米国MLP市場の動向と今後の見通し

2018年2月26日

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※以下のデータおよびコメントは、CBREクラリオン・セキュリティーズのコメントを基に大和投資信託が作成したものです。

<2017年11月下旬から2018年1月中旬にかけて上昇基調となった米国MLP市場>

米国MLP市場は2017年11月下旬から2018年1月中旬にかけて上昇基調となりましたが、その背景には以下のようなことが考えられます。

・MLP市場への資金流入があったこと
・開発施設の稼働開始や商品価格の回復による生産量増加見通しを背景としたキャッシュフローの増加が期待されたこと
・高い営業レバレッジ(固定費の割合が高いため、売上の増加に伴い、営業利益の増加が加速すること)によるキャッシュフローの増加期待やROIC(投下資本利益率)の改善が期待されたこと
・資産売却、減配、IDR(インセンティブ配当権)の廃止などにより、2017年初と比べて2017年末にはMLPの財務体質が改善したこと
・原油価格が堅調に推移したこと



※ I D R とは、事業を運営するスポンサーや親会社であるGP(ジェネラル・パートナー)にインセンティブを与えるため、MLPのLP(リミテッド・パートナー)持分の配当金が増加するにつれてGPがより高い配分比率を受け取る権利のことを言います。
※ R O I C とは、企業が、事業活動のために投じた資金(投下資本)を使ってどれだけ、利益を生み出せたかを測る指標です。投下資本利益率が高いほど、効率的に利益を稼いでいる企業と考えることができます。



<今後のMLP市場における注意点と改善点>

一方で、1月中旬以降、MLP市場は以下の要因などから下落基調となっています。

・今後の利上げペース加速観測などを受けて長期金利が上昇し、米国株式市場が下落したこと
・MLP配当落ちに伴う季節的な売り圧力が強まったこと
・開発プロジェクト発表を受けて今後の設備投資に対する懸念が台頭したこと
・パイプラインや貯蔵施設などの川中事業を営む株式やMLPが公募増資等で資金調達を実施したこと

今後のMLP市場の見通しにおける注意点と改善が見込まれる点について、以下のことが挙げられます。

「注意点」

・パーミアン生産地域における原油パイプラインの使用量獲得競争の激しさが増していること
・インセンティブ配当権廃止と引き換えに発行されたユニット数の増加を受けて、短期的に一ユニット当たりキャッシュフロー成長率と一ユニット当たり配当の鈍化が懸念されること
・カナダやアメリカ北東部におけるパイプライン開発プロジェクトの規制や開発遅延などが懸念されること
・FERC(米国連邦エネルギー規制委員会)の規制対象となる天然ガスパイプラインについて、税制改革の影響が懸念されること(規制された料金が税額の低下に伴い調整される懸念)

「改善が見込まれる点」

・資本構造の簡素化、生産量の増加と世界的な原油需要の高まりなどを背景とした中長期的なキャッシュフローの増加が見込まれており、ファンダメンタルズは概して好調なこと
・普通ユニット発行による資金調達は依然として厳しい状況である一方で、その他調達手段(プライベート・エクイティとの共同事業や、資産売却、優先ユニットの発行など)を活用することが可能なこと
・MLPのガイダンス(MLP各社の業績予想)で、2018年は負債比率の引き下げと配当カバレッジ引き上げ(配当性向の引き下げ)を行い、設備投資や増資を減らす見込みであることが示唆されたこと


<2018年はMLP市場にとって転換点となり、回復傾向が継続する見込み>

1月中旬以降の下落についてはテクニカル要因によるところが大きい一方で、MLP市場の回復は継続すると考えられることから、2018年については明るい見通しを持っています。過去数年間において、MLPのファンダメンタルズは大幅に改善しており、今後も改善基調が継続していくものとみています。また、MLPはROICに焦点を当て持続可能なキャッシュフロー成長を目指すビジネスモデルに移行しています。決算発表でファンダメンタルズや財務状況の改善が示されることにより、MLPに対する新たな関心が寄せられるものと期待しています。

多くのMLPは、低い負債比率、低い配当性向、IDRの廃止を実施しています。また、減配や配当成長率の調整、資産の売却などを行い財務体質の改善を図っています。より保守的なビジネスモデルを採用することによって、財務体質を圧迫するような借入や過度な増資に頼らずに、キャッシュフローや配当を成長させることが可能になる見込みです。

前述のような明るい見通しを維持する背景としては、以下のことが挙げられます。

・MLPの経営陣が積極的な開発よりも一ユニット当たり利益に焦点を当てており、開発プロジェクトや既存の余剰インフラ施設を別目的に再活用することで、ROICの向上に努めていること
・IDRの廃止など、資本構造の簡素化に努めていること(短期的には、IDR廃止と引き換えに発行されたユニット数の増加で、一ユニット当たりキャッシュフロー成長が鈍化する可能性がありますが、長期的には一ユニット当たりキャッシュフロー成長は改善していく見込みです)
・合併や共同開発によるインフラ施設の過剰供給の抑制、コストの削減が見込まれること
・共同開発や資産売却などによって、公募増資の必要性が減ったこと
・良好なファンダメンタルズを背景としたインフラ施設における使用量の増加が期待されること



MLPのファンダメンタルズの見通しは改善しています。2018年の米国の原油、天然ガス、NGL(天然ガス液)は増産が見込まれており、エネルギー・インフラ(社会基盤)施設への追い風になると考えられます。新興国からのエネルギー需要は増加傾向であり、米国は原油、天然ガス、精製品、NGL輸出において市場シェアの拡大が続く見込みです。

財務体質の改善や良好なファンダメンタルズに加えて、MLPのバリュエーションは依然として魅力的な水準であると考えられます。減配やMLP価格の低迷を受けて経営陣への信頼が低下したため、投資家は四半期決算において一ユニット当たりキャッシュフロー成長の更なる改善を確認するのを待っている状況です。2018年の一ユニット当たりキャッシュフローの改善が実現するにつれ、投資家のMLP市場に対する見方も改善していくと考えます。

以上

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