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衆議院総選挙の結果と市場への影響について

2017年10月24日

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<非常に興味深い衆議院総選挙の結果 〜今後の政治情勢にも影響か?〜>

10月22日に投開票された第48回衆議院総選挙(以下、衆院選)では、与党が解散前に近い議席数を確保しました。大幅減も予想されていた中、全体の3分の2の議席を確保したことは、事実上の与党勝利といってよいでしょう。

今回の衆院選では、以下のような非常に興味深い結果がみられました。今後の政治情勢を考える上で、ポイントになってくる可能性があると思われます。

@ 与党が全体の3分の2の議席を確保するとともに、希望、維新も加えると、いわゆる改憲勢力が8割に達しました。森友・加計問題による内閣支持率の低下などで、解散前は改憲棚上げムードでしたが、選挙を受けて改憲が再び具体的な政治スケジュールに上ってくる可能性がありそうです。

A 今回の選挙では、公明が比較的顕著に議席を減らしました。これに加え、改憲でも自民と公明では温度差があるため、今後、公明内で自民と連立を組み続けることの意義を改めて問う動きが出てくることも考えられます。

B 政策面では、使途は見直すものの、予定通りの消費増税を掲げていた与党が、増税凍結や撤回を訴えていた野党に勝利しました。確かに消費増税が明確な争点でなかった面はありますが、増税を打ち出せば負けるが定説だった日本の選挙において、増税支持側が勝利したことは画期的といえるでしょう。財政に対する有権者の意識が、少し変わってきているのかもしれません。

C 今回の選挙で躍進したのは立憲民主ですが、その要因は中道左派というポジショニングを明確にした、いわばマーケティング戦略にあったと思われます。従来の民進は、中道右派から中道左派まで幅広い「顧客」を狙っていましたが、かえって訴求力を欠く形になっていました。そこで、希望は中道右派を明確にしましたが、これは老舗の自民と「顧客」がバッティングし埋没しました。立憲民主は「ブルー・オーシャン」の中道左派を打ち出したことで、投票に結び付く「顧客」を獲得したと考えられます。

D 立憲民主躍進のあおりを食ったのが、与党以上に共産だったようです。これまで共産は、民進に投票しない中道左派の一部を取り込んでいたとみられますが、その分のプラス・アルファが外れたようです。左派の「固定客」は存続するのでしょうが、戦略を誤ると、社民のようにジリ貧に陥る恐れもありそうです。

<市場が気にする今後の政治の重点 〜経済優先か?、改憲優先か?>

衆院選での与党勝利を受けて、前述のように、改憲が今後の政治スケジュールに上ってくる可能性があります。その場合、改憲が国会審議の主要議題とならざるを得ず、経済政策を含む、その他の法案の国会審議が遅延・先送りされる可能性があります。これまでも外交や安全保障、政治スキャンダルなどが中心議題となり、経済政策が脇へ追いやられるケースがしばしばありました。例えば、労働市場改革関連法案などが、その代表でしょう。改憲となると、他法案への影響は格段に大きくなると考えられます。

安倍首相は、今年5月の憲法記念日に2020年の新憲法施行を打ち出し、一時期は2018年通常国会での改憲発議、2018年末の国民投票といったスケジュールが検討されていたようです。今回の衆院選後、安倍首相は改憲について時期ありきではないと述べており、柔軟に対処していく方針を示しています。

衆院選後の市場は、安定政権の樹立と政策の継続を好感し、株式は上昇、為替は円安で反応しました。ただし、衆院選前から与党勝利を織り込む形で株高・円安が進んできたこともあり、選挙結果だけで株高・円安がさらに加速するとは考えにくいところです。そこで今後に関しては、安倍政権の政策の方向性が重要になってくると思われます。為替に関しては欧米の金融政策の影響も大きいため、一概にはいえませんが、株式に関しては経済優先か、改憲優先かが、中期的には影響してくる可能性があります。

株式市場参加者としては、経済優先で、今年の成長戦略である未来投資戦略2017を力強く推進してくれることがベスト・シナリオでしょう。少なくとも積み残しになっている労働市場改革法案や統合リゾート実施法案などは、早急な法案成立が望まれます。ただ、経済が安定すればするほど改憲に取り組みやすくなるとみられるため、現在の経済安定・株価堅調の環境が、安倍首相に改憲優先を選択させる材料になりかねない点には注意が必要です。

以上

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