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足元の米国MLP市場の動向と今後の見通し

2017年10月12日

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※以下のデータおよびコメントは、CBREクラリオン・セキュリティーズのコメントを基に大和投資信託が作成したものです。

<2017年2月中旬から8月中旬にかけて下落基調となった米国MLP市場>

米国MLP市場は2月中旬から8月中旬にかけて下落基調となりましたが、その背景には以下のようなことが考えられます。

「ファンダメンタルズ」

・2017年の原油生産量は増加見通しではあるものの、増加の大部分が2017年後半にかけて見込まれているため、MLP保有施設の使用量増加の恩恵が2017年後半まで遅れること
・テキサス州西部パーミアン生産地域のような成長率の高い地域での競争激化により、MLPに代表されるパイプライン運営会社の利益率が圧迫され、配当水準や負債比率の悪化懸念が高まったこと
・いくつかのMLPが業績見通しの引き下げなどを行なったこと

「資本市場」

・成長期待が高まる中、割高と思われる施設の買収やプロジェクトへの投資が加速したことで、キャッシュフロー成長のペースに一時的に遅れがでたこと
・MLP市場への資金流入が減速する中で、MLPによる資金調達が活発化したこと

「商品価格の変動」

・2016年後半は商品価格に追い風が吹いていたものの、2017年に入ってから商品価格の変動が激しくなり、MLPのみならずエネルギー関連銘柄全体にとってマイナス要因となったこと


※原油価格には、WTI原油先物(第1限月)の価格を使用しています。


(出所)両グラフともブルームバーグのデータをもとに大和投資信託作成

<市場に見過ごされたプラス要因>

2月中旬以降、投資家心理が冷え込み、資金流入が減速する中で公募増資がおこなわれたため、以下のようなプラス要因が市場に見過ごされたと考えられます。

・資産売却、公募増資、IDR(インセンティブ配当権)の廃止などによる財務体質の改善
・当局によるパイプライン開発の認可で、関連する川中企業のキャッシュフローの透明性が高まったこと
・一ユニットあたりキャッシュフローの成長と、内部留保を厚めにすることにより、資本市場への依存度を下げた設備投資が今後可能になるであろうと、MLPの多くの経営陣が示唆したこと
・原油や天然ガス価格が低い水準であっても成長が可能になるよう、エネルギー生産企業が生産効率性の改善、損益分岐点の引き下げのために継続的に努力したこと(米国における原油、天然ガス生産量は2017年10-12月期において増加し、2018年には生産が加速する見込み)
・OPEC(石油輸出国機構)やロシア等が協調減産を行うなどして原油価格を下支えしていること

* IDR とは、事業を運営するスポンサーや親会社であるジェネラル・パートナー(GP)にインセンティブを与えるため、MLPのリミテッド・パートナー(LP)持分の配当金が増加するにつれてGPがより高い配分比率を受け取る権利のことを言います。

MLP市場への資金流出入動向を見ると、6月にかけて減速していましたが、原油価格の回復や前述のようなプラス要因が市場に認知されてきたことなどから、7月以降、回復傾向にあります。

(出所)ブルームバーグのデータを基にCBREクラリオン作成

<MLP市場の見通しはポジティブ>

MLP市場について、安定的なファンダメンタルズがキャッシュフロー成長を支えていく見通しであることに加え、原油や天然ガス価格も生産活動が増加、継続する水準まで回復してきていることなどから、今後1年間の見通しは明るいと考えます。また、米国が世界最大のエネルギー輸出国の一つになる舞台裏では、MLPがその成長の一翼を担ってきました。使用量を獲得するためのMLP間での競争は激化していますが、今後の生産活動の増加や輸出に対応するために追加的なエネルギー・インフラ(社会基盤)施設が必要になると見込まれ、このような施設需要の増加もMLPのファンダメンタルズ改善の支援材料になる見通しです。

MLPの経営陣は、従来、配当成長を重視する傾向がありましたが、最近はROIC(投下資本利益率)に焦点を当てるなど、より収益性を重視するビジネスモデルへの移行を図っている過程にあります。そのため、設備投資に対してより規律のあるアプローチをとっているほか、IDRの廃止などを通じた財務体質の改善に努めていることから、資本市場への依存度も低下する見通しです。

今後のMLP市場のけん引役としては、既存施設の使用率の向上や2017年後半に稼働する開発施設の追加収益に裏付けられた業績改善見通しなどが重要な要素になると考えています。

MLPは、今後数年間において安定的に増加すると見込まれるキャッシュフローに対して魅力的なバリュエーションで取引されていることに加え、MLPの配当利回りも米国10年国債利回りと比較して高い水準にあります。また、改善を示唆している資本市場、安定したファンダメンタルズ、財務体質の改善、より規律のある設備投資アプローチなどを背景として、MLPは今後1年において魅力的なトータル・リターンを提供する可能性があるものとみています。

(出所)ブルームバーグのデータをもとに大和投資信託作成


以上

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