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南アフリカの格下げ〜背景には同国の「政治の時間」入りへの懸念がある

2017年4月5日

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<2000年以来の投機的格付け>

4月3日(現地、以下同様)、格付会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ社、以下S&P)は、南アフリカの外貨建て長期債務格付けを「BB+」へ、自国通貨建長期債務格付けを「BBB−」へそれぞれ1段階引き下げました。同社が南アフリカに投機的格付けを付与するのは2000年以来、約17年ぶりとなります。格付け見通しは、「ネガティブ」となっています。発表文では、「ゴーダン財務相を含めた内閣改造が与党ANC(アフリカ民族会議)内での分裂を浮き彫りにしており、政策の継続が困難になるとの見方を反映した格下げである」と述べ、景気や財政への悪影響にも懸念を示しました。

<突然呼び戻された財務相>

2015年12月にズマ大統領がネネ前財務相を突然更迭した後に財務相となったゴーダン氏は、財政健全化の方針を明確にすることで南アフリカに対する投資家からの信任を高めていました。

3月27日に機関投資家向け説明会のためにロンドンなどを訪問していたゴーダン氏に対して突然ズマ大統領が帰国を命じたことで、ゴーダン氏が更迭されるのではとの観測が強まりました。南アフリカの債券、為替ともに大きく値を下げる展開となりました(金利は上昇)。その後30日には内閣改造が発表され、ゴーダン氏を含む多くの大臣らが解任されました。自身の影響力を高めるために財政を拡張したいズマ大統領と緊縮財政を志向するゴーダン氏との間の確執が背景にあったと考えられます。最も注目を集めた財務相のポストには、内務相を務めていたマルシ・ギガバ氏が任命されました。同氏はズマ大統領に近い人物とみられています。

<2017年12月の選挙を見据え、ANC内での権力闘争は激化へ>

ズマ大統領の任期は2019年までですが、2017年12月には次期ANC党首を決める選挙が予定されています。次期ANC党首が次期南アフリカ大統領となることが見込まれており、事実上の大統領選として注目を集めています。ズマ大統領は後任に、元妻であるドラミニ・ズマ氏を推している一方、南アフリカ最大級の労働組合であり、ANCの主要支持母体であるCOSATU(南アフリカ労働組合会議)はラマポーザ副大統領への支持を表明しており、ANC内での対立が激化しています。

<選挙までは「政治の時間」であり、当面の投資判断は慎重に>

S&Pのほか、格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも南アフリカの格付けを引き下げ方向で検討しており、金融市場では南アフリカの政治動向に注目が集まりやすい環境が続くと想定されます。加えて、政治闘争による混乱が南アフリカの経済成長に与える悪影響も今後は懸念されます。

南アフリカは新興国市場の中では、金融市場が比較的発達しており、市場のリスクセンチメントが良好な局面では海外からの資金が流入しやすい特徴があります。このため、昨年に資源価格が底打ちしてからの南アフリカ・ランドは比較的堅調な値動きとなりました。しかし、市場の注目が政治闘争に向くことで、投資家が南アフリカ情勢への警戒を強める可能性があり、当面は注意が必要とみています(図表)。

一方で12月の選挙後を見据えれば、政権の目が構造改革に向く可能性があり、豊富な鉱物資源を有している南アフリカの再評価のきっかけになると考えます。◆

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