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ファンドマネージャーの運用ノート※

インド出張報告(2017年3月)~世界中の投資家から注目を集めるインドへ~


2017年3月30日

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※当資料は、大和投資信託の運用チームの相場の見方をお伝えするレポートです。
  大和投資信託が設定・運用するファンドにおける投資判断と必ずしも一致するものではありません。

<世界中から注目を集めるインドへ>

2017年3月13日から17日まで、現地の生の声を聞くため、機関投資家向け経済調査ツアーへの参加を含め、インドに出張してきました。ツアーには日本からの投資家は筆者のみでしたが、香港やシンガポールの投資家を中心にロンドンや現地運用会社エコノミストなど、広く世界中から投資家が集まりました。また企業訪問中心のツアーも同時に開催されていた様で、ミーティングによっては、用意されていた部屋に入りきれないほどの出席者となることもあり、インドが世界中から関心を集めていることを肌で感じることができました。

この出張報告では、前半では現状のインドや今後の見通しについてお伝えし、後半では筆者が現地で感じたことなどを番外編としてお伝えします。

<はじめに>

数年前には経済面でさまざまな不安を抱えていたインドですが、経済ファンダメンタルズ面では堅調さを取り戻しており、当面は問題になりにくいとの見方が強い印象でした。

@高額紙幣廃止の影響・評価

AGST(物品サービス税)などを含めた構造改革

B銀行の不良債権問題

C地政学リスクやエネルギー問題など

主に上記の議題について、多くの時間が費やされました。

<ファンダメンタルズは堅調>

フラジャイル・ファイブ※(対外的にぜい弱と考えられた新興国5通貨:インド・ルピー、インドネシア・ルピア、トルコ・リラ、南アフリカ・ランド、ブラジル・レアル)と揶揄された数年前と比較してインフレ率、経常収支、財政収支といずれの経済指標も改善傾向もしくは大きな問題にならない水準にあります。現地での認識も同様で、インドのファンダメンタルズは堅調との見方が多く、確認程度のおさらいが行われたほか、あまり議題にはなりませんでした。

<ご参考>

✔インフレ率:RBI(インド準備銀行)の目標レンジである4%±2%の範囲内で推移。

✔経常収支:2016/17年度の経常収支はGDP(国内総生産)比0.5%程度の赤字に収まる見込み。

✔財政収支:2017/18予算では財政収支目標をGDP比3.2%の赤字に設定。年々改善が進んでいる。

<成功か?!突然の高額紙幣廃止>

2016年11月に、突然発表された高額紙幣廃止についてはさまざまな意見が聞かれました。特に、高額紙幣が廃止されたことにより短期的に消費などの経済活動が停滞し、減速が見込まれていたにも関わらず、発表された2016年10-12月期のGDP成長率が+7.0%(前年同期比)と堅調だったことには多くの疑問が呈されていました。

意見はそれぞれでしたが、統計にはまだ表れていないので今後修正されるとの見方や、統計の信頼性につながる問題だとの意見があった一方で、影響があったと考えられる地方では、新紙幣の供給が間に合っていない時期も、あるとき払いのツケで売買は成立していたのではとの意見も聞かれました。

短期的な経済への影響については懐疑的な見方もある一方、政治的には大成功との意見が聞かれました。現政権は、過去の政権とは違い、高額紙幣廃止で実行力を示したことから、さらなる構造改革も十分に期待できるとのことでした。また、今回の高額紙幣廃止を受け、クレジットカードなどで決済を行うキャッシュレス経済が形成できれば、政府の税収増につながるほか、汚職などの撲滅にも効果があり、中長期的にはインドに有益との見方が多くありました。

<成長加速に期待が高まるGST>

足元では高額紙幣廃止の影響を受けて導入時期が遅れていますが、GST(物品サービス税)の導入には関心が集まっていました。インドでは州によって間接税が異なっており、税申告・納税に煩雑な手続きが必要となっていますが、GSTが導入されると、税制が簡素化され、州を越えた物流や取引が活発化し、経済成長を押し上げることが見込まれています。

出張中にGST評議会が開催され、関連法案が承認されたことを受けて2017年7月よりGSTが導入されることとなりました。

GSTに関しては、インド経済に対してどの程度の影響があるかについて多くの議論がありましたが、総じて好意的な見方となっており、経済発展を加速させるとみられています。一般的には、より直接投資を呼び込みやすくなるほか、徴税率が向上し、税収増分をインフラ(社会基盤)投資などに活用できるとみられています。

<不良債権問題の見方>

インドの商業銀行の不良債権比率は、金融危機後の景気減速やRBIによるインフレや通貨安に対応するための金融引き締めの影響で大幅に上昇しました。特に公営銀行において、非効率な経営や十分な審査を行わずに融資を拡大したことなどを背景に、不良債権比率が高くなっていることが懸念されており、ミーティングでは、今後の展望についても多くの時間が割かれました。不良債権額が多額なことが懸念されるものの、政府が資本注入や合併、バッドバンク(不良債権受け皿機関)の設立などの手段を検討していることもあり、現地では問題点として認識はされているものの、それほど深刻に受け止められている様子はありませんでした。

<まとめ>

今回の出張では、ムンバイとニューデリーの2都市を訪問しましたが、いずれの都市でもモディ首相の人気と期待は高く、タクシー運転手がブッダ、ガンジーに次いで偉大な人になるかもしれないとうれしそうに語っていたのは印象的でした。まだまだインフラ整備、税制改革や汚職撲滅、不良債権問題と解決しなければならない問題は多くありますが、現政権がインドを正しい方向へ導いていることは間違いなさそうです。

既にムンバイでは多くのビルが建設中となっており、現在進行形での経済発展を感じることができましたが、きれいなビルの真横が廃虚に近いバラックとなっているなど、インド全体が十分に発展しているとは言えず、今後も構造改革や豊富な人口などを背景にさらなる経済発展が期待できそうです。

<親日の証?! インドビザ・オン・アライバル>

2015年のインドのモディ首相と安倍首相が会談を行ったこともあり、今の日印関係は大変良好となっています。

インドのビザを取得するためには煩雑な手続きが必要ですが、昨年から日本人にのみビザ・オン・アライバル(事前申請なしで空港到着時にビザを取得できる制度)が開始されました。せっかくなので今回の出張では、この制度でビザを取得してみました。

※制度変更がよくあるそうなので、最新の情報は大使館などのHPでご確認ください。

着陸から約1時間後には空港を出ることができたので、予想よりはスムーズにビザが取得できたと思います。

あらかじめ申告書を記入しておけば特段の問答も無いため、過去に比較するとよりインドに行きやすくなっているようです。

<ホーリー祭に行ってみよう!>

インド3大祭りの一つ、ホーリー祭は、毎年3月の満月の日に開催されます。起源は豊作祈願でしたが、悪魔払いのために泥などを投げつける風習と混ざり、現在では誰彼無く色粉や色水を掛け合うお祭りとなったそうです。

今回は、弊社インド現地法人社員が招待してくれたので、ホーリー祭に参加することができました。インド全土で開催されるお祭りですが、地域によって激しさが異なるということで、今回お邪魔したムンバイは比較的穏健な祝い方をするとのことでした。実際には、一定の集まり(自治会?)ごとにお祝いの集まりを開催している様で、歩いていていきなり色水を掛けられるということはありませんでした。また祝い自体は前日の夜にたき火を燃やすところから始まり、翌日に色水を掛け合うとのことでした。

当日、自宅を訪問させていただくと、『特に開始の時間は決まっていない。みんなが集まれば始める。』と説明され、開始までは時間をつぶしていると、まずは子供たちが広場でわいわいと騒ぎはじめ、徐々に大人たちも混ざり、昼過ぎぐらいにはおおむね落ち着くイメージでした。(色水は水鉄砲、水風船、バケツなどで掛け合います。)

左下の色粉をもらい、マンションの住人と「ハッピー・ホリー!!」と言いながら顔に、塗りたくりあって来ました。基本的にコミュニティー内では、みなさん大変仲が良いようで筆者も大変歓迎していただき、貴重な体験をすることができました。当日は、服を含めてぐちゃぐちゃになりましたが、現地社員いわく「オーガニックの色粉を使っているから大丈夫!昔は1週間ぐらい落ちなかった」と言っていたように、シャワーを2回ぐらい浴びればきれいに落ちました!(1人だけオーガニックじゃない粉を使っていたようで、1色だけ4回シャワーで洗っても落ちなかった…。)

<ベジオアノンベジ? 食事など>

出張期間中を通じて、ほぼカレーを毎食食べ続けましたが、投資家ツアー参加中は人によって食べられるものが異なるので、バイキング形式での食事となりました。スープやカレーにはベジタリアン用か否かの印が記載されており、各人が食べられるものを食べられるだけ食べるという形式でした。カレーは総じておいしいのですが、香辛料が大量に入っていることと油が多く含まれていることもあり、慣れていないと胃もたれを起こします。

実際に駐在されている方の話をおうかがいする機会もありましたが、皆総じて食事が厳しいとおっしゃっていました。家族で駐在されている方の中には、業務用冷凍庫を設置し、日本から持ち込んだ食材を大事に食べている方もいらっしゃるそうです。また現地の食材屋さんにも足を運びましたが、棚いっぱいの香辛料が1袋200円程度で大量に並んでおり、これらを大量に使い家庭の味を作っている様です。

<その他>

<ご参考>当社の関連リサーチ

下記のリサーチでは、直近のインドに関するテーマやその背景などをお伝えしています。
          ◆高成長を確認したインド〜モディ首相のリーダーシップ下で、着実に進む構造改革と成長戦略〜 (2017年3月2日)別ウィンドウで表示
          ◆インド政府が予算案を発表〜息の長い成長を目指す〜 (2017年2月3日)別ウィンドウで表示

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