大和投資信託 iFree専用サイトはこちら

〜米国の医療保険改革法の代替法案の採決見送りから考えること〜

2017年3月29日

印刷する場合はこちらをご利用ください。PDF版

<政権の政策遂行能力に対する疑念を生じさせたオバマケアの代替法案の採決見送り>

米国で医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案の採決が見送られました。下院を通過しても上院の通過は困難で、上院で法案の内容が大幅に書き換えられるとみられてはいましたが、形式的にも下院を通過できなかったことで、政権の政策遂行能力に疑問が生じたことは確かです。減税の財源確保の点からも懸念されます。

代替法案は医療保険制度改革法の一部分の改正であったとは言え、大掛かりな制度の代替にしては議論が拙速であった感は否めません。共和党が一枚岩でなかったことも影響しました。特に、共和党内の保守強硬派は完全なオバマケア撤廃を求めるなど党内の内部分裂を露呈する結果となりました。更に、代替法案の経済的影響もはっきりしませんでした。

<米国株式市場はオバマケア代替法案の先を見据えた動きへ>

一方で、米国株式市場は冷静さを示しています。24日(現地、以下同様)の株式市場は、下院での採決見送りが報じられると、一時、下落速度を速めましたが、トランプ大統領が税制改革に取り組むとの報道が流れると押し戻す動きとなりました。週明け27日の株式市場も寄り付きこそ大きく下落しましたが、その後、下落幅を縮め、結局、24日終値に比べて小幅下落で終えました。オバマケア代替法案の実現は当初から困難とみられていたことや、株式市場の視点が税制改革に移ったためと解釈されます。堅調な米国景気や企業業績が下支え役になったと思われます。

<予算・税制改革で市場の期待をつなぎ留められるかが焦点>

今後注目されるのは予算・税制改革です。主要なテーマとしては、@2017会計年度暫定予算が4月28日に切れることへの対応、A4月中旬に決議が予定される2018会計年度の予算案の作成、などが考えられます。税制改革については、トランプ大統領が打ち出している減税案、すなわち、法人税率の15%への引き下げ、所得税率の引き下げ・簡素化、レパトリ減税(海外利益を米国に還流する際に税率を引き下げる)などの議論が注目されます。暫定予算は、そのまま延長か、トランプ大統領が予算方針として示した国防費の増額と非国防費の減額が含まれるかが焦点です。トランプ政権は今回のオバマケア代替法案の撤回を受けて、政策実現に向けて民主党との協力を探る可能性を示唆しています。民主党の一部と連携できるかも注目されます。

医療保険制度を棚上げして、税制改革を含む経済政策に議論が移ることについては、市場にとっては必ずしもマイナスではないと考えられます。当初予定よりも税制改革が前倒しとなったことで、議論の深まりが期待されるためです。今後も議論は紆余(うよ)曲折が予想されます。株式市場は政治動向を警戒しながらも、堅調な景気情勢や企業業績などが下支えとなり大きく下落する可能性は小さいと考えられます。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意

  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和投資信託により作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。