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米国リート市場は、金利上昇より今後のキャッシュフロー成長に注目

2017年3月21日

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※当資料は、コーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント・インク(以下、C&S)のコメントを参考にして大和投資信託が作成したものです。

<FOMC声明文で緩やかな利上げペースが示唆されたことから米国リート市場は反発>

3月に入ってからの米国リート市場は一時的に調整局面が続きましたが、FOMC(米国連邦公開市場委員会)声明文で今後の利上げは市場予想よりも緩やかなペースにとどまると示唆されたことから反発する展開となっています。

好調な米国経済指標やトランプ大統領就任後の経済政策の具体化への期待、おおむね良好な2016年10-12月期のリートの決算内容などが好感され、2月まではリート市場は底堅い相場動向が続きました。しかし、3月以降は好調な経済指標の発表が相次ぐ中で、FOMCでの利上げは必至との見方が強まったほか、今後の利上げペースが速まるとの臆測を背景に米国10年国債利回りが上昇ペースを速めたことが嫌気されました。一時的に金利先高観が強まる中で、リートをはじめとする利回り資産については、売り圧力に押される展開となっていたとみられます。

しかしながら、3月15日(現地)のFOMC声明文においては、市場予想通りFFレート(政策金利)の引き上げが行われたものの、今後の利上げは市場の大方の予想よりも緩やかなペースにとどまると示唆されたことから長期金利が急低下し、リート市場も反発する展開となりました。用途別でも直近で大きく売り込まれていた商業施設セクターを中心に全面高となっています。

<リート市場の先行きについては、利上げの影響よりリートのキャッシュフロー成長に注目>

今回の利上げは大きな注目を集めており、足元のリート市場の動向にも影響を与えているのは事実です。しかしながらリート市場の方向性については、今後の利上げ回数よりむしろ、減税や財政支出が雇用環境や経済に与える影響、およびインフレの見通しがリートの業績に与える影響について考える必要があるものと思われます。

一般的には、リートは金利上昇局面で軟調に推移するとみられています。実際、これまでも急激な金利上昇が見られた際、リート市場は一時的に不安定な動きをする傾向が見られました。しかしながら、C&Sの調査によれば、中長期的には経済成長や雇用増加の方向性が、リート市場により強い影響を及ぼしています。過去において、FRB(米国連邦準備制度理事会)が利上げを行い、10年国債利回りが上昇した局面でも、リートは高いリターンを生み出しています。


下図は、米国の前回の利上げサイクルにおける、政策金利や10年国債利回りとリート市場の値動きを比較しています。2004年3月に、堅調な雇用統計を受けてそれまで低位で推移していた10年国債利回りが急上昇したことから、翌月のリート市場は下落しました。しかしながら、市場が金利上昇リスクを織り込むとともにボラティリティは低下し、リート市場のリターンは回復しました。その後も経済の改善が続いたため、FRBは2年間にわたり、FFレートを17回引き上げましたが、2006年までの利上げが継続した局面においても、リート市場の2004年3月末〜2006年末までの累積リターンは+78%と良好なパフォーマンスを記録しました。なお、同時期の米国株式市場のリターンはS&P500種指数で+32%にとどまっており、リート市場のリターンは米国株式市場を大きく上回っています。

当時の投資環境を振り返ると、前述の通り長短金利とも底打ち傾向を見せていたものの、不動産ファンダメンタルズについては今回と同様、底堅い雇用情勢を受けて不動産市場への需要は依然として高く、新規供給が抑制されていることから、商業用不動産市場の需給がひっ迫している状況にありました。そういった中、テナントからの強い需要を背景に2004年から数年間のリートの保有物件の稼働率ならびに賃料も上昇傾向にありました。なお、2016年以降の数年間についても、+6〜8%程度のキャッシュフロー成長が見込まれています。

次に、リート市場のバリュエーションについて当時と現在とを比較してみます。前回のサイクルで利上げ懸念から金利上昇が見られた2004年3月末では、米国リート市場の配当利回りは5.01%となっており、10年国債利回り(3.86%)とのスプレッド(利回り格差)は1.15%となっています。一方、2017年2月末時点では最近の金利上昇によって多少妙味は低下したものの、米国リート市場の配当利回りは3.90%で、10年国債利回り(2.36%)とのスプレッドは1.54%となっています。すなわち、リート市場の相対的バリュエーションの観点からも現在の方がより魅力的な水準にあると考えられます。

<まとめ>

2004年の前回の利上げサイクルの開始時点と比較すると、リートのキャッシュフロー成長率については前回と同様の順調な伸びが見込まれています。バリュエーションについても、前回のサイクルと比較しても特段の過熱感はないものと判断されます。

そのため、米国リート市場は短期的には投資家心理の変化や長期金利の動きに左右される局面も予想されるものの、基本的には好調な商業用不動産市況や安定したキャッシュフロー成長への期待を背景に、中長期的に底堅い上昇局面が続くと予想しています。

以上

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